サンドウィッチマンのオリジナルネタ

コント『クレーム』




伊達
「テレビの調子わりーな。電話一本入れてやろ」


(プルルルルル…)


富澤
「こちらカスタマーセンターです」


伊達
「あっでたでた。ちょっとテレビのことで聞きたい…」


富澤
「弊社への賞賛メッセージの方は4を」(食い気味で)


伊達
「なんだよ機械のやつか」


富澤
「弊社へのご意見の方は…」


(機械音っぽく)


伊達
「なになに?」


富澤
「9・0・6」


伊達
「9・0・6…と」


(メモしながら)


富澤
「844731…」(早口で)


伊達
はえーわ。意見を言わせる気ゼロだろ。」


(番号を押していく)

富澤
「あっそこ5じゃなくて7です」


伊達
「…おまえ普通にしゃべれんのかよ!」

富澤
「えっと覚え方としてはですね」


伊達
「覚え方?」

富澤
「クレームはよしなさい!!」


伊達
「やかましいわ。なにが不満なんだよ」

富澤
「…あと♯」

伊達
「♯?ほら、これでいいだろ」

富澤
「で、今日はどうしました?」


(軽い感じで)

伊達
「バカなのかよおまえ」

富澤
「はい?クレーム対応のクレーム富澤ですが」

伊達
「クレームじゃないよ。あんたが出るんならすぐ対応してよ」

富澤
「あー後半なに言ってるかわかんないです」


伊達
「なんでわかんねえんだよ。すぐに出ろって言ってんの」


富澤
「いやでもマニュアルなんで」

伊達
「それじゃ二度手間になんだろ」

富澤
「二度まで?」

伊達
「言ってねーわ。一回ですませろよ。急いでんのこっちは」

富澤
「クレームならなんなりどうぞ」

伊達
「まぁクレームというかさ」

富澤
「はいはい」

伊達
「この前さ、おたくのテレビ買ったんだけど」


富澤
「えっうちのテレビですか!?」

伊達
「リサイクル業者か。おまえんちのテレビ興味ねーわ」

富澤
「あっそうですか」

伊達
「あんたのとこのメーカーのテレビ買ったの」

富澤
「それはそれはまいど〜」

伊達
「したらどうも映像がおかしいんだよ」


富澤
「えっ海老蔵がどうしたんです?」


伊達
ロッテリアかおれは。そんな気にかけてねーよ。テレビの映像」


富澤
「あぁ映像ですか。たしか最近そのケース多いみたいで」


伊達
「あぁそーなんだ」


富澤
「それって勝手にスワヒリ語の字幕が付くやつですよね?」


伊達
「ちょっとちがうな。えっ?なに字幕って映画みたいに下につくの?」


富澤
「いやななめですけど」


伊達
「ななめなのかよ。たすき掛けみたいじゃん。絶対やだわ」


富澤
「まぁカリブ産なんで…」


伊達
「いいよその話はもう。だから買ってすぐなのに画面がさぁ」


富澤
「画面が?」

伊達
「こう…なんかビリビリしてんだよね」

富澤
「感電しちゃったと」(淡々と)


伊達
「するかそんなもん。だったら先病院行ってるわ」


富澤
「先に病院、と」(淡々と)

伊達
「もうふざけなくていいからさ」

富澤
「えっいや。あぁ続きをどうぞ」

伊達
「だからアンテナちゃんとあるのにきれいに映らねんだよ」


富澤
「ではここから参考にするんで会話を録音していきますねー」


伊達
「えっなに録音すんの?」


富澤
「じゃどうぞー」


伊達
「いやどうぞって言わてもさぁ」


富澤
「あっでは合いの手を。時は過ぎゆき地デジ化へ〜」


伊達
「ちょちょっと」


富澤
「テレビ買えども画面ぼんやり、ほんわか家族で見たいのに。それでは心ゆくま
で語っていただきましょう〜『愛とクレームの哀しき残陽』。どうぞ」


伊達
「…」


富澤
「はりきってどうぞ!」


伊達
「…そういうんじゃなくてさ。普通に聞いてくんない?」


富澤
「あっ普通でいいんですか」


伊達
「うん。なんかスナックの司会者みたいになってっから」


富澤
「ははは笑。誰が中居くんなんですか」


伊達
SMAPじゃねーよ。いいから普通にしろって」


富澤
「えっとじゃ今そこにテレビはございますか?」


伊達
「テレビ?確認しながら電話してんだからあるよここに」


富澤
「それは…現実ですよね?」

伊達
「なにが聞きてーんだよ」


富澤
「いや幻覚症状かなって。そっちの方…」


伊達
「そっちじゃねーわ。言っとくけどおれゲタ職人だかんな」

富澤
「はき違えましたすみません。ではもう一つ」

伊達
「だからなんだよ」

富澤
「貞子は出てきました?」

伊達
「いいんだよそーいうの。映像が乱れたからって?全然ピンとこねーわ!」

富澤
「くる〜♪ピンとくる〜♪」


(貞子風に)


伊達
「一生こねーよ。もうダメだ、もっと話のできるやついねーのか」

富澤
「私かなり話には自信はございまして」

伊達
「あん?」

富澤
「いやこの前ね、家でテレビ見てたんですよ。そしたら急に電話が鳴ってなにか
な?って思ったら。これびっくりしたんですけど」

伊達
「誰が小噺しろって言ったよ」

富澤
「いえこれは怖い話ですけどね。はははっ」

伊達
「やかましーわ。もうお前の上司にかわれ!文句言ってやっから」

富澤
「では少々お待ちを…」

(保留音があみんの待つわ)


伊達
「あいつどんだけ待たせる気だよ」

富澤
「大変お待たせしました。あの〜すみません」

伊達
「なんだよまたお前かよ」

富澤
「ちょっと今上司の者が取り込み中でして」

伊達
「取り込み中?」


富澤
「はい。今ベランダの方で」


伊達
「なんで洗濯しちゃってんだよ上司が」


富澤
「僕もちょうど芝刈りいこーかなって」

伊達
「むかしむかしか。なんだそれ。もう話になんねーからきるわ」

富澤
「ちょちょっと待ってください」

伊達
「なんなんだよ!」

富澤
「弊社へのクレームの方は…」



(機械音っぽく)


伊達
「始めに戻っちゃった!もういいぜ」



どうもありがとうございました